渉外登記の先例集

渉外不動産登記の先例集です

  • 外国文字であっても、我が国において一般に慣用されているものを、登記の記載につき、外国語を表すためでなく用いることは差し支えない(例えば船舶の名称としての「CP8」は、そのまま登記簿に記載してよい)。(昭和25・11・21民事甲3026)
  • 抵当権実行のために裁判所に提出する書類及び抵当権の登記を受けるため登記所に提出する書類は、すべて日本語によるものでなければならない。なお、提出すべき契約書等の原本が英語で作成されている場合には、その原本と共に日本語に翻訳した書面を提出すべきであるが、その日本語訳が正確な翻訳である旨の証明書は提出する必要がない。(昭和26・12・7民事甲2339)
  • 外国在住の日本人が登記義務者としてする所有権移転登記の申請には、印鑑証明書に代えて、委任状の末尾の拇印につき本人のものに相違ない旨の在外公館の証明が付されているときは、当該申請は受理される。(昭和29・9・14民事甲1868)
  • ブラジル在住の日本人が、登記義務者として所有権移転登記を申請する場合、印鑑証明書に代えて、在ブラジル総領事の「本人の自署であること及び本人の拇印に相違ないことの証明」を添付してよい。(昭和29・9・14民事甲1868)
  • 外国在住の日本人が相続による所有権移転登記を申請する場合、印鑑証明書の提出に代えて、在留証明書の仲の本人の拇印と遺産分割協議書の同人の拇印が同一と認められれば、登記は受理できる。(昭和30・9・15民事甲1958)
  • 国外移住者が登記権利者である場合の不動産登記法施行細則41条[現:不動産登記令7条・別表]の書面としては、その者の住所地を管轄する在外公館の証明にかかるものとする。(昭和33・1・22民事甲205)
  • アメリカ合衆国在住の日本人が登記義務者として登記を申請する場合において、登記義務者本人が署名した委任状のほか、アメリカ合衆国公証人の面前において右の者が行った自己の署名に関する宣誓口述書が添付されているときには、登記官において、右の委任状及び宣誓口述書の署名につき、その同一性を確認しうる限り、当該登記の申請は受理してよい。(昭和33・8・27民事甲1738)
  • アメリカ在住の日本人が、義務者として所有権移転登記を申請する場合、アメリカ合衆国公証人の証明に係る、本人の署名に相違ない旨の宣誓口述書を添付した場合、同人の委任状の署名と宣誓口述書の署名の同一性が確認しうる限り、登記の申請は受理される。 なお、委任状自体に、本人が署名したことを公証人が証明している場合は、同一性確認の問題は生じない。(昭和33・8・27民事甲1738)
  • 準共有の関係にある先取特権、質権または抵当権の登記においては、その持分は、債権額の割合をもって表示する。(昭和35・3・31民事甲712)
  • 在日駐留軍の軍人・軍属・その家族の住所を証する書面としては、所属の軍当局の長(基地司令官等)の地位にある者の作成に係る証明でよい。(昭和35・9・20民事三発835)
  • 外国居住の日本人が登記義務者としてする所有権移転登記の申請には、印鑑証明書に代えて、委任状の末尾の拇印につき本人のものに相違ない旨の在外公館の証明が付されているときは、当該申請は受理される。(昭和36・1・16民事甲109)
  • 共同相続人中、未成年の子が数名いる場合に、親権者と遺産分割協議をなすときにおいて、未成年者一名毎に格別に特別代理人を選任しないでした遺産分割協議による相続登記は受理されない。(昭和36・3・24民事甲728)
  • 根抵当権の基本契約たる与信契約の内容が外貨をもってする断続的取引である場合は、その登記すべき極度額の記載は、邦貨のみをもってすべきものとされる。(昭和37・1・26民事甲73)
  • 外国法人が登記申請人である場合において、当該法人の代表者の資格を証する書面として、添付した当該外国公証人の作成にかかる証明書が作成後3か月を経過していても、その登記の申請は受理される。(昭和37・11・27民事甲3429)
  • 在米日本人(又は米国人)が所有権登記名義人であり、その者が登記義務者として登記を申請する場合には、印鑑証明書の提出に代えて、申請人本人の署名に相違ない旨の米国公証人の証明が附された委任状を提出して行うことができる。また、右の者の住所に関して米国公証人の証明にかかるものも、その住所を証する書面として取り扱われる。
     なお、外国文字によって表現された委任状についての翻訳文は、申請代理人の作成したものでよいとされる。(昭和40・6・18民事甲1096)
  • 在米日本人の住所に関する証明は、在米日本領事の証明を以て行い、在米の米国人の住所に関する証明はアメリカ合衆国の官公署の証明を以て行うもを原則とする。何れの場合でも、アメリカの公証人の証明に係わる住所に関する書面も住所を証する書面として取り扱われる。(昭和40・6・18民事甲1096)
  • 外国法人で日本において営業所を有するものを登記名義人として表示するには、本店の所在地のほか、便宜、日本における営業所の所在地を併記してさしつかえないとされる。(昭和41・5・13民事三発191)
  • 海外等の遠隔地居住者(登録義務者)の包括的委任代理人からの上申書には、その者(代理人)が日本人であるときは、その印鑑証明書を添付すべきものとし、かつ、[旧]不動産登記法44条ノ2の2項所定の申出書におけるその者の押印と右の上申書の押印とが一致するものでなければならない。(昭和41・11・24民三1129)
  • 外国会社の日本に於ける営業所廃止に関する登記申請に際して、登記簿上の日本に於ける代表者の住所が不明で連絡がとれない場合には、あらたに当該外国会社の日本における代表者を選任し、その者から日本における代表者の変更登記及び営業所廃止の登記の申請をなすべきである。この場合、登記の申請書には、日本における代表者の変更及び営業所廃止の事実を証する書面の添付を要する。(昭和44・1・14民事甲32)
  • 財団法人交流協会在外事務所長が台湾在住の日本人に対して発給する在留証明書、印鑑証明書若しくはこれに代わる署名証明書は、便宜不動産登記法施行細則41条の規定による住所証明書、同細則42条若しくは42条の2の規定等による印鑑証明書若しくはこれに代わる書面として取り扱ってよい。(昭和48・8・11民三6365)
  • 在外邦人の中間の住所移転の経緯について在外公館の証明を得ることができない場合において、在留証明書と消除住民票若しくは戸籍の謄抄本等により本人の同一性が確認できるときには、右の各書面に加えて、中間の住所移転の経緯およびこれについての証明を得ることができない旨の本人の上申書を提出すればよいが、在外邦人の印鑑証明書の有効期間を延長する取扱いは認められない。(昭和48・11・17民三8525)
  • 1個の金銭消費貸借契約に基づき外貨と円貨とを同時に貸出した場合の当該貸付金債権担保の抵当権設定登記においては、「債権額一、金何米ドル・担保限度額金何円、ニ、金何円」とし、利息・損害金に関する定めは、円貨についてのみ記載する。(昭和49・12・27民三6679)
  • ブラジル在住の日本人が、委任状、遺産分割協議書、住所に関する宣誓書を提出する場合、これに添付する本人の署名証明は在外日本領事の署名証明に代えて、ブラジル国公証人の証明に係る署名証明でも差支えない。(昭和54・6・29民三3549)
  • 本邦公証人は、メキシコ在住の日本人が本邦帰省中にした委任行為を公証する権限を有するから、その公証人が作成した委任公正証書を添付して、所有権移転の登記の申請をすることができる。(昭和58・5・18民三3039)